著者のコラム一覧
芋澤貞雄芸能ジャーナリスト

1956年、北海道生まれ。カリフォルニア州ロサンゼルスでテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌を中心に30年以上にわたり芸能・スポーツを中心に取材活動を続ける。代表的なスクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在は、星野源、ディーン・フジオカから羽生結弦、浅田真央まで幅広く取材活動を続ける。日刊ゲンダイDIGITALや現代ビジネスなどで執筆中。ツイッター現代デジタル芸能界一の嫌われ記者 芋澤がぶっちゃける極秘情報

奥田瑛二"稀代のプレイボーイ"が愛娘・安藤サクラのために体を張った「妻同伴のマスコミ対策」

公開日: 更新日:

「娘が学校に行きづらくなっている」

 奥田の本題は食後のコーヒーとデザートを見計らって切り出され、その瞬間、室内の空気が緊迫した。

「僕は何を書かれても怒らないし、身の潔白を証明しようとも思っていません。ただ、あなたの記事が原因で、娘のサクラが学校に行きづらくなっているのです。せめて娘が学生生活を送る間だけでも記事をセーブしてもらえないだろうか……」

“サクラ”とはもちろん安藤サクラのことだ。一言一句正確ではないが、おおよそこんな内容の言葉を、筆者を睨みつけるように話す奥田に少しだけ意外な一面を見た気がした。当時、安藤サクラは、港区の実家から地下鉄とJRを乗り継いでお嬢さまが多い有名私立校に通っていたのだが、電車の中吊り広告に父の名前が大きく書かれていることに恥ずかしい思いをし、同級生に揶揄され、実際に学校を休んでしまうこともあったという。血走った目とは裏腹に、穏やかに説明しながら丁寧に頭を下げる奥田……。筆者は、“家族をも顧みない希代のプレーボーイ”という見聞と全く違う奥田の態度を見て言葉を失ってしまった。

■「正直な気持ちを俳句にしたためてほしい」

 即答できずにいた筆者とデスクに、奥田は「じゃあそろそろ、音楽でも聴きに行きましょうか……」と、近くのライブハウスに席を移すことを提案。妻の安藤は帰り、男3人になり、ほろ酔い気分のデスクが「わかりました。しばらく記事はお休みしますね……」と漏らすや否や、奥田は私たちを3軒目の銀座7丁目の“隠れ家みたいなバー”にエスコートしてくれた。有名な大御所と呼ばれるような芸能人や文化人を数多く常連に持つこの店で、奥田は筆者に盛んにコースターの裏に「今の正直な気持ちを俳句にしたためてほしい」と促す。

 故・瀬戸内寂聴さんから「寂明」という俳号を名付けてもらうほど俳句に明るい奥田と違い、俳句など書いたこともない筆者が筆を動かせずにいると「なんだ、記者をやってて俳句のひとつも書けないのか……ダラしないな」と独り言のようにつぶやいた。奥田も酔っていたのか、初対面の人間に“ダラしない”と言えるほど心を開いてくれたのかは定かではないが、「らんまん」の奥田を見るたび、筆者はあの時の言葉が蘇る。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    松本人志「事実無根」から一転、提訴取り下げの背景…黒塗りされた“大物タレント”を守るため?

  2. 2

    島田洋七が松本人志復帰説を一蹴…「視聴者は笑えない」「“天才”と周囲が持ち上げすぎ」と苦言

  3. 3

    人気作の続編「民王R」「トラベルナース」が明暗を分けたワケ…テレ朝の“続編戦略”は1勝1敗

  4. 4

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  5. 5

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  1. 6

    松本人志が文春訴訟取り下げで失った「大切なもの」…焦点は復帰時期や謝罪会見ではない

  2. 7

    窪田正孝の人気を食っちゃった? NHK「宙わたる教室」金髪の小林虎之介が《心に刺さる》ファン増殖中

  3. 8

    井上真央ようやくかなった松本潤への“結婚お断り”宣言 これまで否定できなかった苦しい胸中

  4. 9

    菊川怜が選んだのはトロフィーワイフより母親…離婚で玉の輿7年半にピリオド、芸能界に返り咲き

  5. 10

    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇