「私のバカせまい史」好評は“プレゼン形式”にあり バカリズム×フジテレビは相性抜群
「バカせまい史」は、これを想像ではなくテレビの取材力、情報量を駆使して“せまい歴史”に迫るバラエティーとして制作されたことが想像される。
■個性が発揮されやすいフォーマット
特番時代にギャラクシー賞(テレビ部門22年5月度月間賞)を受賞するなど、早くから高い評価を受けていた同番組。フォーマットの秀逸さもあり、独自の研究を発表する演者の個性が発揮されやすいのも大きな特徴の一つだ。
ものまねを得意とする霜降り明星・せいやが、ものまね番組に欠かせない演出「ご本人登場史」を、ゴシップ好きで知られるさらば青春の光・森田哲矢が「1000万円以上の大金を拾った人史」を、筋肉芸人としても知られるマヂカルラブリー・野田クリスタルが「日本初のマッチョ 若木竹丸伝説史」を発表する姿からは熱量の高さを感じた。
また昨今、「ダウンタウンVSZ世代 ヤバイ昭和あり?なし?」(日本テレビ系)をはじめ、世代間ギャップをテーマとするバラエティーが増えている。せまい歴史を深掘りする「バカせまい史」が、結果的にこのトレンドを押さえているのも興味深い。
華やかなバラエティーとは別にある、もう一つのフジテレビらしさ。「バカリズム案」のフォーマット、演者の個性や熱量が融合し、同番組は絶妙な面白さを醸し出している。なるべく長く続くよう、ネタが尽きないことを祈るばかりだ。
(お笑い研究家・鈴木旭)