森光子さんのすごい記憶力 ドラマの中身から何から何まで覚えていた
ご覧の通り、松の湯を舞台に大騒動を繰り返す中で、森さんはその中心にデンと座っているって感じでした。森さんがいてくださることで、あのドラマがただのドタバタにならずに済んだんじゃないかな。ドラマのラスト、茶の間で旦那さん役の船越英二さんとお茶を飲みながらその日を振り返る。あのシーンがあったから、見ている人たちも心を落ち着けて布団に入ることができたように思うんです。
アタシはいつも必死で、しかも、周りは大スターばかりで舞い上がっていたから、あの頃のことはよく覚えていないんです。でも、森さんはドラマの中身から、何から何まで覚えてらっしゃる。すごいんですよ、記憶力が。だから忘れたことは森さんに聞けばいいって思っていました(笑)。
■空気が仕切っちゃう
森さんはとにかく優しかった。とくに新人にはすごく優しいんです。もちろん共演者の人たちにもすごく心遣いをしてくださる。森さんがいれば何にも問題が起きない気がしました。
何があっても「あら、そうなの」って感じでね、ぜんぜん動じないの(笑)。で、キッチリ仕切ってくださる。ていうか、口では言わないんですけど、空気が仕切っちゃうんですよね。凄い人ですよ。これがホントの存在感てヤツでしょう。
だから、共演した人たちから「お母さん、お母さん」って慕われているの、わかる気がします。アタシもお会いしたときは「お母さん」って呼ばせてもらっていました。森さんの現場の雰囲気づくりにアタシは憧れてました。
(構成・藤井優)