“永遠のアイドル”松田聖子のコンサートに潜入 61歳でも人気が「世代を超越」しているワケ
「あたしもう61よ」
ファンのファッションも聖子コスプレ、法被姿、特攻服などさまざま。往年の聖子ちゃんカットにアイドルドレス姿のコスプレもちらほら。最近では10~20代の聖子ちゃんコスプレも急増中だという。ドラマ「今日から俺は!!」で橋本環奈の聖子ちゃんヘア姿などがきっかけに関心を持ったり、ユーチューブで昔の動画が自由に見られるようになったことで、当時を全く知らない世代に80年代アイドルブームが起きているためだという。
コンサートの名物は、観客のリクエストに応える「即興アカペラ」のコーナー。この日は会場のファンと会話をしながら、次々と自身のヒット曲の数々からサビのフレーズを都合10曲ほど披露。「同じツアーでも毎回違い、多い時は今日よりもっと歌ってくれるんです。あの生の声を聴いたらまた行きたくなります」(60代の夫婦)と言う声も。「可愛い!」の歓声に「あたしももう61よ」と爽やかな声で語りかけるのはコンサートのときだけ。自身の歴史をファンと共有する姿もまたファンの心をつかんで離さない要因だろう。
21年12月に愛娘・神田沙也加(享年35)を亡くしてもうすぐ2年。元夫の神田正輝(72)とともに報道陣の会見に登場する姿はファンならずとも涙を誘ったが、翌年にはコンサートを再開。
「完璧なアイドルだからこそ憧れる。すべての人生をかけて“アイドル・松田聖子”を貫く姿がいいんです」(60代のファン)
秋には、ジャズアルバム第3弾が発売、さらに年末には恒例のディナーショーを開催。5万円するというディナーショーも「席が限られているのでなかなか争奪戦なんです」(前出のファン)。
松田聖子人気が世代を超越する理由がよくわかるステージだった。 (取材・文=岩渕景子/日刊ゲンダイ)