小倉智昭という男の“気配り”術…自分は傲慢な悪者になって、共演者を目立たせた
すると小倉は「君ら〇〇県の出身でしょ?」と返した。ふたりがうなずくと、「この言葉は僕の言ってる方が正しいんだよ」とやさしく諭した。調べてみると、確かに小倉の言う通りで、録音は一発OK。小倉は秋田県の出身だが、イントネーションの違いをよく理解していた。僕も何度か彼に教えてもらって修正したものだ。
■「すぐにスタジオを出て行ってくれ」
これもある日、企画もので僕がにんにくの特集を担当したことがあり、3日間にんにくを食べ続けてスタジオに入った。VTRが流れた後に僕が話そうとすると、「城ちゃん、にんにくのことはわかったから、すぐにスタジオを出て行ってくれ。においがひど過ぎて耐えられないよ」と注意された。聞く人によっては不遜な態度に思われるかもしれない。
小倉は番組終了後に僕に近寄ってきて「城ちゃん、ごめん。あのほうが目立って印象に残ると思ったんだ」とフォローしてくれた。自分が悪者になることで僕を目立たせ、強烈なにんにくパワーも画面越しに伝わったと思う。