小泉今日子さん、和田靜香さんとの「50代シャベリバ」で僕が強く共感したこと
50代だから、われわれは言い続けるしかない(by小泉今日子)
トークは終始愉しく穏やかなムードで進んだ。だが、弛緩すれど止まらず。ゆるくなる瞬間はあっても、ぬるくはならない。これも50代クオリティ。
その模様を完全収録したアーカイブ動画がB&Bのサイトで4月18日まで販売されているので、ご興味のある方はご覧いただくとして。ここではネタバレにならぬ範囲で、ぼくが特につよく共感した小泉さん発言を引用したい。
「怒りとか、怒ることとか、思ってることを言うとか。声を上げることに対して、すごく否定的に捉えられちゃうことが多くて。こんなおかしな世の中になってて、怒らないほうがおかしいと私は普通に思うんだけど。怒ってると『ああ、売れなくなったから左に寄りやがった』みたいなこと書かれたりして。まっすぐ立ってますけど!(場内爆笑) どうにかしてそういう声をショボーンと小さくさせようとする意地悪な感じがある。でも50代だから、われわれは言い続けるしかないなと。命をかけて(笑)。というか(この先の人生は)そんなに長くもないから、(若い世代のために)ちゃんと立っててあげないと」
そこで反射的に「長生きしましょう!」と口を挟んでしまったぼくに、小泉さんは微笑みを浮かべて「そう、長生きするけど」と返してきた。この国の誰もが知る、あの声で。
終演後の楽屋で、ぼくたちは写真を撮った。28年前と同じポーズ。一瞬で〈穴〉を抜けてタイムスリップした気分。38年という時間を行き来する『ふてほど』には敵わないけれど。そういえば、イベントで小泉さんはこうも話していたっけ。
「時間って縦だけじゃなくて横もあると思って。今の自分が一歩前に踏み出すと、過去の自分も、未来の自分も、一歩踏み出せるんじゃないかな」