著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

漫談が天職 トガり続ける街裏ぴんくのウケるもスベるも自己責任の心地良さ

公開日: 更新日:

 しかし12年、27歳の頃に上京すると、東京のライブでは途端にウケなくなった。コワモテがキレていると、怖さが勝ってしまったのだろう。その頃に見つけたのが、「浅草リトルシアター」という小さな劇場だった。エントリー代なしでも、1日3~4回出演できる。しかも客はお笑いを見に来るファンではなく、観光中にフラッと立ち寄るような人たち。だから毎回、客層が違う。修業の場に最適だった。

 そこで研ぎ澄ましたのが、芸人になった当初から本来やりたいと思っていた「ウソ漫談」だったのだ。ピンになり、ウケるのも、スベるのも、全部自分の責任という状態が心地よかった。

「僕は漫談が天職です。やっぱり芸人は100%出せないとダメだと思う」と語るぴんくは、「R-1」王者になる直前の頃、トガりすぎてブレーキをかけたくなることはないかと問われ、「むしろ尖り続けたい」ときっぱりと答えている。「自分が唯一無二の笑いができているか、誰かと似たことをやってないかは常に自問自答しています」と(レコオーランド「FASHIONSNAP」24年2月9日)。

 その信念で唯一無二の“天職”である「ウソ漫談」を築き上げたのだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動