テレビ東京系「しょせん他人事ですから」中島健人のコメディーセンスは見る側を和ませる
弁護士が活躍するリーガルドラマは数えきれないほど作られてきた。今期の「しょせん他人事ですから~とある弁護士の本音の仕事~」(テレビ東京系)は、主人公の保田理(中島健人)が「ネットトラブル」専門の弁護士であることが新鮮だ。
最初の依頼人は人気の主婦ブロガー(志田未来)。人妻風俗勤務という事実無根の噂を広められて炎上した。また兄妹2人組のアーティスト(野村周平・平祐奈)は、身に覚えのない「中学時代のいじめ動画」が拡散されて炎上。物心両面で大きな被害を受けた。
このドラマの見どころは、ネットトラブルへの具体的な対処法がわかることだ。書き込みやサイトを消す「削除請求」や、書き込んだ者を特定する「情報開示請求」などの流れが物語の形で示される。
さらに問題となる書き込みをした側の顛末も描かれる。主婦ブロガーを中傷していたのは同じマンションに住む主婦(足立梨花)だった。そしてアーティストの偽情報を広めたのは広告会社の部長(小手伸也)だ。どちらも「ちょっとつぶやいただけ」という認識だが、リツイートであっても責任を負う場合がある。
自分が扱う案件を「他人事」と言い切る保田は変わり者に見える。だが、一歩引いた全体の俯瞰と、第三者としての冷静な対応は見事で、弁護士として優秀だ。演じる中島のコメディーセンスが見る側を和ませてくれる。