【新春ビッグ対談】連載33年格闘漫画「刃牙」シリーズ板垣恵介×大宅賞作家・増田俊也
板垣恵介氏が描く大人気格闘漫画「刃牙」シリーズ(秋田書店)が累計1億部を突破した。週刊少年チャンピオンでの連載開始から33年での金字塔。板垣氏と親交の深い作家で大宅賞受賞の「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」(新潮社)や「七帝柔道記」(角川書店)で知られる増田俊也氏との対談が実現した。
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増田 僕が「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅賞を受賞した時、板垣さんから言われたすごい言葉、今も覚えてます。
板垣 俺、なんて言った?
増田 「増田さんは、一生、木村政彦を書いていけ」って。新鮮というか、衝撃だった。「木村政彦──」が売れて、いろんな編集者が家に来て「今度はこの人物の伝記で直木賞を目指しましょう」とか「この人物をモデルにした純文を書いて芥川賞を狙いましょう」とかたくさん依頼があったんです。板垣さんだけですよ、「ずっと木村政彦だけを書き続けろ」と言ったのは。板垣さんは「刃牙」シリーズを30年以上も描き続け、先日ついに1億部を突破した。その板垣さんの言葉だから、物書きとしてズシリときました。
板垣 俺はそう思った。あんなに木村政彦に惚れてるんだから、これは一生書き続けられると。