令和ロマン高比良くるまが当代きっての売れっ子たるゆえん 史上初M-1連覇で書籍もヒット
そんななか、くるまが頭一つ抜けた理由は、M-1の2連覇の説得性。ファイナリストで現在は審査員を務める塙、M-1王者の石田とせいやが成しえない偉業とあって、活字の真実味が増した。また、ひな壇やドッキリ企画、ロケや体を張ったバラエティーといった若手芸人の登竜門を避けたことで、期せずしてカリスマ性を帯びた。さらに、令和の漫才師の象徴といえる配信に力を注いでいることも大きい。
■主軸の劇場を大事に
YouTubeの公式番組「official令和ロマン」はチャンネル登録者数74.4万人で多く、くるまは、ホワイトボードを駆使した分析や関係性を説明するYouTube企画のパイオニア。自著刊行期には、くるまが1000冊にサインを生記入している間に、相方の松井ケムリ(31)が鶏白湯ラーメンを作る映像を3時間以上にわたって生配信。累計視聴者数が60万人を超え、スパチャと呼ばれる投げ銭も多額だった。
くるまと同じく、マシンガントークで持論を展開する芸人の開拓者といえばオリエンタルラジオ・中田敦彦(42)。偶然にも同じ慶応義塾大学出身(くるまは中退)だが、中田はYouTubeの合算登録者数が618.1万人でケタ違い。月額980円のオンラインサロンの会員は5000人で、デジタルで億を稼げる数少ない芸人となった。