千鳥を育てた大阪屈指のディレクター津野允氏はベトナムに…海外に拠点を移すTVマンに共通すること
「アナウンサーが編集作業もこなす」「女性スタッフが多い」「さまざまなプラットフォームでテレビ番組が見られる」など、日本のテレビ業界とは環境が違うことから発見も多い。そんな日々を送る中、「ほかの国も見てみたい」と笑顔で今後のビジョンを語る津野氏の姿が印象的だった。
海外に拠点を移したテレビディレクター/プロデューサーというと、元テレビ東京の上出遼平氏が思い浮かぶ。
世界各地の危険な場所で生きる人々に密着し、食事をともにする番組「ハイパーハードボイルドグルメリポート」(テレビ東京系)をヒットさせ、2019年にギャラクシー賞を受賞。その後、さらなる挑戦を求めてフリーに転向し、2023年から妻・大橋未歩とアメリカ・ニューヨークへ移住して幅広い分野の仕事をこなす人物だ。
前述の津野氏と上出氏で共通するのは、外側から日本のテレビを眺めていること。津野氏は局員ではなく制作会社社員として関西のテレビ業界で腕を振るい、上出氏は常に自身が“部外者”であることを意識して番組制作に携わってきた。
「日本のテレビをやめた47歳の男」のラストで、津野氏が「(ベトナムや)アフリカの作り方で日本で放送するとか、こんなんもあっていいんじゃないのっていうのはできたら面白い」と語っていたように、今、日本のテレビを活気づけるには外側からの視点が重要なのかもしれない。