「これからの時代を生き抜くための資本主義入門」丸山俊一著
「これからの時代を生き抜くための資本主義入門」丸山俊一著
ITなどのデジタル技術によって情報の伝達が非常に便利になった。だが、それによって生まれた差異による利潤獲得競争が激化して労働者の心をさいなみ、社会の形もゆがんでいる。
21世紀になって「アテンション・エコノミー」という概念が広まった。消費経済から情報経済に移行する過程で、人間のアテンション(注意力)が貴重な資源に変容すると予測する。人の関心や注目の度合いが経済的な価値をもつ商品となり、それが貨幣のような機能をもつ状況が到来するのだ。
NHKでエグゼクティブプロデューサーとして「欲望」をキーワードにドキュメントを企画した経済学者が21世紀の資本主義を読み解く。
(辰巳出版 1760円)