新車より高値の“逆転現象”なのに…中古車販売店の倒産が激増するナゼ
新車より中古車が高く売れる逆転現象まで生まれた中古車販売市場。コロナ禍で盛り上がった中古車市場が、いま販売不振で中古車販売店が行き詰まっている。
東京商工リサーチが行った「2024年度『中古自動車小売業』倒産動向」によると、24年度の「中古車販売店」倒産は98件で、前年度(71件)の約1.4倍(38%増)と急増した。倒産原因は「販売不振」が81件と最多(構成比82.6%)となった。
■旧ビッグモーターとの関係
中古車登録台数は23年の310万3739台に対し24年は319万7837台と3%増加した(日本自動車販売協会連合会データ)。中古車販売店の倒産増加について、東京商工リサーチ情報本部の友田信男本部長が「市場は旧ビッグモーターの不正事件を契機に大きく変わりつつある」と、次のように分析する。
「コロナ禍が落ち着いても高性能で割安感のある中古車需要は伸びています。ただ、旧ビッグモーターなどの事件後、ユーザーは販売店選びに非常に慎重になっている」