女優の原点に 月船さららの迷い解いた天願大介監督の洗礼
■裸も抵抗なくイメージ通りに演じて……
最初の出会いは「世界で――」のオーディションでした。当時のマネジャーから台本を渡されて読んだところ、すごく衝撃的でした。ストーリーはエロチックで破天荒。なのに、どの役も個性的でとにかく面白い。それで「絶対に参加したい」と思って応募しました。そしてヒロイン・輝子に選ばれたのですが、どのように演じたらいいのか迷いました。
すると、監督が「(映画の主役は)初めてなのだから、画面の中で自分がどう映るか、それは考えなくていい。真っ白なままで来てください」と。それで肩の荷が下りたというか、表情とか気にせず、フレームも関係なく自分のイメージする通りに演じさせてもらいました。
車に例えるなら、ものすごくアクセルを吹かせてくれる、役にのめりこませてくれる、そんな監督です。
裸になることには実はそれほど抵抗はありませんでした。台本を読んでオーディションを受けたのですから、それは承知の上。宝塚歌劇団時代の私のファンにとってはショックだったかもしれませんが、女優「月船さらら」には必然だったと思います。