今の日本の芸能界のアンチテーゼ! 世界の天才ロックスターたちの暴走と不道徳ぶり
ロックスターの多くはバイオグラフィー本で、関係した相手のことも、バンド仲間やグルーピーと複数プレーをすることも隠していない。日本人アーティストのバイオグラフィー本では考えられない内容だ。
クラプトン、キッスのジーン・シモンズやポール・スタンレーの自伝には、初体験についても詳細に書かれている。3人とも年上の女性の手ほどきで大人になった。悪魔のメークで舌をベロベロさせて演奏しているジーンは10代のころは貧しく、ニューヨークで新聞配達をしていた。そして、集金で訪れた家の主婦に押し倒される。やめてやめてとバタバタしているうちにことは終わり、お小遣いをもらった。
欧米のロック界は、日本の芸能界とはかなり違うようだ。日本の芸能人の不道徳行為は、メディアにもファンにも徹底的に叩かれる。
一方、海の向こうでは、不道徳でなければロックスターではないという考えも強い。
ピート・タウンゼンドのコンプレックスは、自分の微妙なプライドや中途半端な道徳心。それを知るバンド仲間のキース・ムーンが買収したグルーピーをホテルの部屋に差し向け、ピートはまんまとワナにはまる。ひと晩中やりまくる。その結果性病になる。ところが、これでこそ自分もロックスターだとよろこぶ。
EL&P(エマーソン・レーク&パーマー)のキース・エマーソンは、妻や恋人をコンサート会場やスタジオに連れて来ることを禁止。ビートルズの解散例から、バンドに女性が介入すると関係が悪化すると考えたのだ。そして、メンバーでグルーピーを“共同使用”するルールをつくる。一人の女性とメンバー全員が関係すれば仲よくなり、不道徳な行為によってロックの精神も維持できると考えたらしい。PTA的な思考の人にはなかなか理解できないかもしれない。
ロックは音楽も精神も生き方も自由──。そんな強い思いが根底にあるのだろう。