甘く見るな! 4月がピークの「黄砂」には汚染物質がびっちり
■外出する時の予防法は?
黄砂による健康被害は咳、くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、充血といった比較的軽いものから、喘息、結膜炎、アトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー疾患を悪化させるケースもある。黄砂が飛来した後は、肺炎、気管支炎、COPDを発症・悪化させたり、心筋梗塞や脳卒中の患者が増えたりするというデータも報告されている。
「黄砂によってアレルギーが重複して表れ、症状がひどくなるケースもあります。当院でも、黄砂が飛来した後は〈アレルギーが悪化した〉と来院する患者さんが増えます。その場合、これまでより強い薬を処方するなどの対症療法しかないので、何よりも黄砂を吸い込まないように予防することが大切です」(水谷氏)
まずは、気象庁がホームページなどで発表している「黄砂情報」をこまめにチェックする。飛来が予測されている日はなるべく外出を控えたい。
とりわけ、喘息などのアレルギー疾患を持っている人、呼吸器が弱い人、脳血管や心臓に持病がある人は要注意だ。
外出する時は、普通のマスクではなく、ウイルス対策用、PM2・5対策用といった超微粒子の侵入を防げるマスクを着用する。目からの侵入を防ぐためにメガネをかけたい。帰宅したら、手洗い、洗顔、うがいを徹底する。洗濯物は外に干さないで、部屋干しするのも有効だ。
「さまざまな物質を吸着する黄砂には、どんな有害なものが含まれているかわかりません。体内に蓄積される可能性もあるので、健康な人もしっかりと対策を立てるべきです」(水谷氏)
無策は避けたい。