使いすぎは禁物…食器洗浄機と温水洗浄便座が病気を呼ぶ
東京医科歯科大名誉教授の藤田紘一郎氏はこういう。
「我々の生活環境には無数の細菌が存在します。空気中にも地表にも土の中にもいて、細菌に囲まれて暮らしているといっていい。そのほとんどが無害なもので、人間に害を与えるような病原菌はごくわずかしかいません。アレルギーを起こすかどうかは、そうした無害な細菌と普段からどうやって付き合っているかで決まります。アレルギー反応というのは、アレルギーの原因物質であるアレルゲンが体内に侵入するとそれに抵抗する抗体が作られ、その抗体に刺激された脂肪細胞が化学物質を放出することによって起こる。無害な菌まで除菌してしまうような清潔志向が行き過ぎた環境で生活していると、細菌と共存する方法がわからなくなり、アレルギー反応を起こしやすくなるのです」
無菌状態だった母親の胎内から生まれてきた赤ちゃんは、そこいら中をなめて回る。これは、早くさまざまな細菌を体に取り込んで、免疫機能をアップさせなければならないからだという。
我々の生活環境に、そこまで恐れなければならない病原菌はまずいない。まったく細菌がいなくなるまで、食器を洗ったり除菌する必要はないのだ。