新事実が続々判明 「パーキンソン病」は予防可能な時代に

公開日: 更新日:

 パーキンソン病は、ふるえ、歩きづらさ、動きの悪さ、こわばりなどの運動症状を主とする難病だ。ここ数年、新たな事実が判明し、対策がガラリと変わるかもしれない。

 これまでパーキンソン病は、「脳だけの病気」ととらえられてきた。脳にある中脳の「黒質」でドーパミン神経細胞が減少し、神経伝達物質ドーパミンの分泌が減って運動症状のみ出てくるのが、パーキンソン病と考えられてきたためだ。

 脳の前頭葉の神経細胞が減少して発症するアルツハイマー病は、その神経細胞の減少によって前頭葉が萎縮する。

 一方、パーキンソン病は、ドーパミン神経細胞が減少しても、黒質のある中脳は萎縮しない。特異的にドーパミン神経細胞が減少するだけなので、黒質のある中脳の萎縮にまで至らないのだ。

 そのために「脳だけの病気」ととらえられてきたパーキンソン病だが、実は「全身性疾患」だということがわかってきた。大阪大学大学院神経内科学・望月秀樹教授が言う。

「運動症状の前にも、便秘、心臓の交感神経の異常(MIBG)、夜中に大声を出したり夢で見たことを実行に移すレム睡眠行動異常症、嗅覚低下、うつ状態などが、患者の多くに見られることがわかってきたのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…