使いすぎは禁物…食器洗浄機と温水洗浄便座が病気を呼ぶ
■命に関わるケースも
温水洗浄便座にも注意したい。
空気中や土の中だけでなく、人間の体にも全身に〈常在菌〉と呼ばれる細菌がいる。皮膚にいる常在菌は、皮膚の表面にある脂肪を食べて分解し、皮膚に弱酸性(pH5.4~5.7)の膜を作る。この膜がアレルゲンや病原菌の侵入を阻止したり、水分を保つ働きをしている。
「常在菌は肛門の周りにも存在し、大便に含まれている有害な細菌が侵入しないようにブロックしています。しかし、温水洗浄便座を1日に何度も使ったり、強い水圧で当て続けると、常在菌が洗い流され膜がなくなってしまうのです。その結果、皮膚が中性になって有害な細菌が侵入しやすくなり、強いかゆみに悩まされたり、排便のたびに激しく痛む肛門周囲皮膚炎や、膿がたまる肛門周囲膿瘍になる可能性もある。悪化すると、敗血症を誘発して命に関わるケースもあります」
内閣府の調査によると、温水洗浄便座の普及率は71.3%に達する。1日1回、人肌程度の温度で10秒ほど洗い流すくらいなら問題ないが、使いすぎは禁物だ。