早期がん発見容易 最新機器「NBI内視鏡システム」の実力
「咽頭・喉頭がん、食道がん、胃がん、大腸がんのうち、胃がんと大腸がんは、拡大内視鏡を備えたNBI内視鏡システムで調べることで、良性か悪性か、さらに粘膜内のどこまでがんが浸潤しているかが分かります」
リンパ節転移のない早期胃がんは、胃の表層を切除するだけの内視鏡手術で根治効果が得られる。大腸がんも、リンパ節転移がなく、粘膜下層の浅層までにとどまっていれば、内視鏡手術が可能だ。言い換えれば、これらの条件に該当しない場合は内視鏡手術では不十分で、外科手術が必要になる。
「拡大内視鏡搭載のNBI内視鏡システムであれば、この判断をより正確に行えます。従来の内視鏡では、そこまで正確には判断できませんでした。『良性腫瘍だと判断し、放っておいたが、実は悪性のがんだった』『取りきったつもりが、がんが見落とされていて取り残しがあった』あるいは『必要以上の切除だった』というケースがあったのです」
複数の医療機関から、「通常の内視鏡では発見が難しかったがんをNBI内視鏡システムで確認できた」という論文が発表されているという。別の施設の試験では、従来の内視鏡検査による咽頭・喉頭がんの早期発見率が8%に対し、NBI内視鏡システムでは100%。食道がんでは、従来検査55%に対しNBI内視鏡システム99%という歴然とした差が出ている。