従来薬と異なる作用機序 新薬登場でてんかん治療が変わる
■適切な診断・治療を受けられていない
てんかんの治療は、薬の効き目が悪ければ追加や変更が検討される。しかし、これまでの抗てんかん薬は、治療開始後、最初の薬で発作が消失した率は47%、2番目の薬では13%、3番目の薬、または抗てんかん薬の多剤併用では4%。一方、薬で発作が消失しない人が37%と、4割弱いた。
「彼らにとって新薬は期待ができる。しかし、4割弱に十分な効果が見られないのは、薬の作用機序が合っていなかったからだけではありません。適切な診断、治療が受けられていなかった人もいると考えられます」
大澤医師によれば、てんかん発作には、本来の発作に加えて「偽発作」もある。また、「発作=てんかん」ではなく、てんかんにはさまざまなタイプがあり、その中にも脳内の異常な波で2次的に起こっている発作もある。
だから、さまざまな検査が必要なわけだが、そもそも、てんかんとは気づきにくい発作もある。「単純部分発作」と呼ばれるもので、まずは感覚器の異常が表れる。
「光が見える、目がかすむ、音・声・メロディーが聞こえる、不快なにおいがする、体の一部がちくちくする、しびれなどがあります」