従来薬と異なる作用機序 新薬登場でてんかん治療が変わる
次に、自律神経の症状だ。動悸、発汗、皮膚の紅潮もしくは顔面蒼白、発熱、寒け、頭痛、吐き気などが見られる。そして、運動機能の症状が出る。手足や顔がつっぱる、ねじれる、腕や足の一部がけいれんするなど。いずれも患者は意識があり、発作中の症状を覚えている。これらを念頭に、正しい診断に基づいて発作を抑えなくてはならない。
「診断後は、薬物治療に加え、発作の誘発因子を排除することも大切です」
発作が起こりやすい条件は、「ほっとした時」「ぼんやりしている時」。入眠直後、寝起き直後、睡眠中、体温上昇時、深呼吸をした時などが該当する。緊張しているシーンでは起こりにくい。
また、誘発因子は人それぞれで、急激な体温の上昇、発熱、テレビ画面や点滅する光、木漏れ日といった光刺激、月経前、さらには疲労やストレス、睡眠不足、薬の飲み忘れなどが絡み合って発作を起こしやすくする。
新薬登場の意味は大きい。加えて、対策が十分に取れているかのチェックも不可欠なのだ。