医師の「様子見」が落とし穴 脂肪肝を甘く見てはいけない

公開日: 更新日:

 ところが冒頭のように、脂肪肝の深刻さを患者に伝える医師は専門医以外では少数。また、伝えても患者は自覚症状がないので軽視しがちだ。

 さらに医師が深刻さを認識していても、線維化がどれくらい進んでいるかを調べるには肝臓に針を刺して調べる肝生検しかこれまでなく、専門医以外は必要かどうかの判断が困難だった。

「しかし、状況は変わりました。『フィブロスキャン』や『MRエラストグラフィー』という肝臓の硬さや肝臓の脂肪量を調べられる検査機器が登場し、保険適用で受けられる。線維化の速度を予測し、どれくらいのスパンで肝硬度や肝脂肪量をチェックしていけばいいのか、肝生検の必要性の有無を判断できます」

糖尿病があればリスク2倍

 脂肪肝と診断されているなら、一度はこれら2つの検査のうちどちらかを肝臓の専門医のもとで受けるべき。中でも、より急を要するのは、糖尿病も患っている人だ。

 糖尿病があると脂肪肝のリスクが高くなることは、糖尿病を診ている医師なら理解している。ところが、脂肪肝と糖尿病が重なると肝硬変への進行スピードが速く、肝がんのリスクが糖尿病がない人の約2倍になることを強く意識してはいない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  2. 2

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  3. 3

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  4. 4

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  5. 5

    佳子さま“ギリシャフィーバー”束の間「婚約内定近し」の噂…スクープ合戦の火ブタが切られた

  1. 6

    半世紀前のこの国で夢のような音楽が本当につくられていた

  2. 7

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 8

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  4. 9

    田原俊彦「姉妹は塾なし」…苦しい家計を母が支えて山梨県立甲府工業高校土木科を無事卒業

  5. 10

    プロスカウトも把握 高校球界で横行するサイン盗みの実情