肝臓や腎臓の病気で皮膚に「かゆみ」が表れるのはなぜ?
「中枢性のかゆみは皮膚の異常が原因のかゆみと違って、脳が直接刺激されて感じるかゆみなので全身がかゆくなり、かいても治まりません。抗ヒスタミン薬などの一般的なかゆみ止めは効きにくいので、治療では『k受容体作動薬』という薬が使われます」
腎不全で透析を長い期間続けていると皮膚が黒くなる。これは皮膚を黒くするメラニンを作るホルモンが増え、色素沈着を起こす物質を排出できなくなるからだ。そして、急性肝炎や肝硬変が進むと皮膚や白目が黄色くなる。いわゆる「黄疸(おうだん)」だ。
「黄色くなるのは、血液から肝臓に運ばれて胆汁の成分になる『ビリルビン』の色です。ですから黄疸は、胆汁の流れが障害されるがんや胆石などの病気でも起こります」
ちなみにミカンを食べ過ぎると、手のひらや足の裏の皮膚が黄色くなるが、それは病気ではない。蜜柑(みつかん)に多く含まれる「ベータカロテン」を大量に食べることで起こる「柑皮症」という現象だ。ニンジン、パセリ、カボチャ、あんず、海苔などを食べ過ぎても起こるという。