肝臓や腎臓の病気で皮膚に「かゆみ」が表れるのはなぜ?

公開日: 更新日:

便秘」「酒の飲み過ぎ」「寝不足」などで体調が悪いと、「肌が荒れる」といわれるが本当なのか。「池袋西口ふくろう皮膚科クリニック」(東京)の藤本智子院長が言う。

「寝不足や二日酔いなどは、単に洗顔やスキンケアをやらないで寝てしまうことで肌が荒れることはあるでしょう。ただ、便秘や胃腸の不調による一時的な栄養障害が、すぐに肌に悪影響を及ぼすということは科学的には証明されていません」

 ただし、肝臓や腎臓の病気が進行すると、皮膚に「かゆみ」「乾燥」「色素沈着」などの変化が表れるという。特に肝炎や肝硬変の人、人工透析をしている人は皮膚に強いかゆみが出ることが知られている。

「肝臓や腎臓は血液中の悪い物質を取り除く働きをする臓器なので、機能が低下するとヒスタミンなどの“かゆみ物質”が除去できずに増えてしまうのです。それに脳内のかゆみ制御のメカニズム異常が起こることも指摘されています」

 脳のかゆみ制御には、体内の「オピオイドペプチド」と呼ばれるモルヒネに似た物質が関係する。その物質には複数の種類があるが、かゆみを起こす「ベータエンドルフィン」と、かゆみを抑える「ダイノルフィン」がバランスを保っていれば、かゆみは出ない。ところが肝臓病や腎臓病があると、ベータエンドルフィンが増えてしまうのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  3. 3
    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

  4. 4
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  5. 5
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  1. 6
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 7
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  3. 8
    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

  4. 9
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  5. 10
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」