卵巣がん死亡率が95%低減 遺伝子検査を医師が薦める根拠
発症前の乳房切除は、乳がんの死亡率は低減できるが、卵巣がんに関してはエビデンスは出ていない。
BRCA1・2遺伝子変異を持っていると、持っていない人より高い効果が見込める新薬「オラパリブ(一般名)」が、再発卵巣がんに対して日本で初めて4月に承認されているので、BRCA1・2の変異の有無は治療選択の際の有益な情報になる。
加えて、兄弟、姉妹、子供など家系に同じ遺伝子を持っている人がいないかを探すきっかけになり、彼らの卵巣がん、乳がんの予防に役立つ。
BRCA1・2の遺伝子変異が疑われるのは、「家系に卵巣がん・乳がん患者がいる」「卵巣がん患者」「若年性乳がん患者」「両側性乳がん患者」「男性乳がん患者」など。
近年は、この2つの遺伝子変異が前立腺がんや膵がんにも関係していることが分かっている。
「遺伝子変異は一生涯変わることがなく、遺伝性のため、ほかの家系にも影響してきます。該当項目がある人には、まずは遺伝カウンセリングを受けた上でBRCA1・2の遺伝学的検査を検討することを薦めます」
▽遺伝カウンセリング、検査、RRSOはすべて保険適用外。慶応義塾大学病院では、遺伝カウンセリング15分以上3000円+初診料または再診料。