モデルで食の研究家・室谷真由美さん 腎盂腎炎からの教訓
タクシーを降り、受付まで歩くのも必死です。体のガタガタは止まらないし、息も苦しい。顔色だって普通じゃなかったと思います。でも、受付では何事もないかのように「これ、書いてくださいね」と書類を渡されました。正直、「え? こんな状態なのに?」と思いましたが、仕方がないので一通りのことを震えながらなんとか書いて提出したのです。
さらに、そのまましばらく待っていると、「今日は人が多くて診られません」と言われました。しかも、「他の病院を教えてくれませんか?」と尋ねても、「自分で探してください」とバッサリ……。一気に力が落ちました。
「とにかく温かいものにくるまって眠りたい」と自宅に戻り、「明日こそ病院へ」と思って眠りにつきました。
でも、翌日は立ち上がる力が出ず、病院へ行けたのは翌々日です。そこで、医師から「腎盂腎炎です。即入院してください」と告げられました。
■ひとりで抱え込み過ぎていた
腎盂腎炎は、尿がたまる腎盂というところで細菌が繁殖して炎症する細菌感染症です。菌が全身に回ると命にも関わります。私の症状は危険なレベルに達していたようです。トイレをガマンしたり、水分摂取が少なかったりすると急性膀胱炎になりやすく、それがもとで腎盂腎炎になることが多いそうです。