宝塚退団し過食症に 真織由季さんとストレスケアの出会い

公開日: 更新日:

「精神安定剤を出してあげるから、すぐ舞台に出なさい」

 今から24年ほど前のことです。担ぎ込まれた奈落(舞台下)の診療室(現在は地上階にある)でそう言われました。宝塚劇場で主役を務める舞台の真っ最中、お芝居と歌謡ショーの間の30分休憩中に、全身の硬直と過呼吸で倒れてしまったのです。

 当時、私は27歳でした。診療室にいた市民病院の内科医から「パニック障害による過呼吸」と診断され、紙袋を使って自分の吐いた息を吸う応急処置を受けました。ただ、「舞台に出なさい」と言われても、とても出ていける精神状態ではありません。ショーでは私が歌うはずだった曲が、まさかの歌ナシで流れるという宝塚史上あり得ない事態となりました。もちろん、上級生からは総スカンでした(笑い)。

 当時はただの「イヤイヤ病」としか思われなかったんですよね。自分でも「心が弱いんだ」と思っていたので、気合で治そうとしていました。

 前兆はその1年前からあって、ひどい吐き気が突然、込み上げてくることが増えていました。それでもトップスターを目指して必死な時だったので、休めなかったのです。発作で倒れた後、定例の組替えがあって、いったんポジションが下がると症状も落ち着いたのですが、再びポジションが上がると、また倒れる事態に見舞われました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 2
    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

  3. 3
    ソフトB山川穂高 数字では測れない「4番の価値」…打てない時期もチームの躍進に大貢献

    ソフトB山川穂高 数字では測れない「4番の価値」…打てない時期もチームの躍進に大貢献

  4. 4
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 5
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  1. 6
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  2. 7
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  3. 8
    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

  4. 9
    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

  5. 10
    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題