常識一変! 糖尿病の人と予備群に運動が必要な本当の理由

公開日: 更新日:

 糖尿病の人が運動が必要な理由は、筋肉をつけることで基礎代謝が上がり血糖を多く消化することのほかに、筋肉の収縮が血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンの分泌量を増やしたり、働きを良くするからだと考えられてきた。

 ところが近年、そんな医学常識を一変させる事実が判明した。運動中はインスリンの量はむしろ低下し、筋肉が別の方法で血糖値を下げていることがわかったのだ。

「それがAMPキナーゼと呼ばれる酵素です。この酵素は筋肉細胞内で細胞のエネルギー量を監視し、その量を調節する働きを持っています」

 人が筋肉を動かすときはATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれるエネルギーの「蓄電池」を利用する。

 ATPは細胞内に数百から数千あるミトコンドリアという「電力工場」で作られる。運動を続けてATPのエネルギーが使われるとADP(アデノシン二リン酸)という物質に変化し、最後はAMP(アデノシン一リン酸)という名のカラの電池になる。

「細胞内でAMPが増えると、それに応じてAMPキナーゼのスイッチが入り、血液中の糖の筋肉細胞への取り込みが始まります。細胞内ではそれを原料としてミトコンドリアで新たなATPが作られ低下したエネルギーを補充するのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」