「オプジーボ」の効果があるのは2割 “夢の薬”の現実と課題
「オプジーボはがん細胞が出すPD―L1の働きを阻害するので、PD―L1が多く発現しているケースの方がより有効だと考えられます。しかし、実際はPD―L1が多く発現しているのに効かなかったり、それほど発現していない患者なのに効果が認められる場合もある。つまり、どんな条件の人に効くのか、なぜ効果があるのかがはっきりわかっていないのが現状です。ヒトの免疫システムはPD―1/PD―L1以外にいくつもあるので、別の免疫システムに作用していることも考えられます。そのため、効果があるのは2割程度ですし、まったく効かないケースもあります」
■予期せぬ副作用も報告されている
どんな場合に効くのかがはっきりしていないとなれば、どんな人に副作用が出るのかもわからないということになる。
「それほど多いわけではありませんが、これまで、間質性肺炎、1型糖尿病、重症筋無力症、甲状腺機能低下症、下垂体機能低下症といった予期せぬ重篤な副作用が報告されています。免疫システムに働きかける薬なので、そうした自己免疫疾患が副作用として表れると考えられていますが、どんなタイプの患者に副作用が起こりやすいのかについてもはっきりしていないのです」