血糖値の調整役 膵臓からはインスリン以外の2種類も分泌

公開日: 更新日:

 健康であれば、これらのホルモンが上手に作用し合い血糖値が一定にコントロールされる。それが自己免疫などによりβ細胞が破壊されてインスリンが出なくなると1型糖尿病を発症する。

 食べ過ぎや運動不足などが原因で、インスリンの分泌低下やインスリン受容体の反応低下が起こると2型糖尿病となる。

 糖尿病が悪化すると、インスリンを注射しないと血糖値が下がらない。しかし、インスリンには脂肪をため込む作用があるので、注射量が増えると太りやすくなる。

「インスリンは血中の糖分が上昇すると分泌されますが、実は食物が腸に入るとインスリンの分泌を促すホルモンが腸から出るのです。それが『インクレチン』です。血糖値を上げるグルカゴンの分泌を減らしたり、胃の動きを遅くしたり、脳に作用して食欲を抑えます。インスリンを側面からサポートしているのです」

 特にインクレチンのひとつ「GLP―1」は、類似物質が糖尿病の注射薬(GLP―1受容体作動薬)として使われている。また、経口薬のDPP―4阻害薬は、GLP―1を分解する酵素の働きを妨げる薬だ。これらはインクレチン製剤と呼ばれ、血糖値の上昇に伴ってインスリンの分泌を促すので、副作用の低血糖や体重増加が起こりにくいという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド