80歳の母親は助かる可能性があった胃がんの手術を受けず…
患者の権利としての自己決定権と言われますが、「母の命は母だけのもの」というような考え方は間違っていると思うのです。何回も同じようなことを言って申し訳ありませんが、医師は助かる可能性がある時でも、「あなたの命だからあなたが決めてください」と言うものなのでしょうか? 母の命は母のものだと先生もそうお思いになりますか?
■何も出来なくても生きていて欲しかった
私は母ともっともっとケンカをして、すぐに手術を受けさせればよかったと後悔しています。痛いとか、何かあれば無理やり病院に連れていって、手術を受けさせることも出来たかもしれません。
病院に連れていかないで様子をみてしまっていた私が悪いのです。葬式に来た弟に、言い訳ばかり話す自分が嫌になりました。
今さら他人のせいにするな。私のこの悲しさ、寂しさを他人のせいにするな。死んだ者は帰ってこないじゃないか……そうも考えます。でも、仕事が終わって、家に帰っても、何も言わなくともほほ笑んでいてくれた母はいないのです。