著者のコラム一覧
和田秀樹精神科医

1960年6月、大阪府出身。85年に東京大学医学部を卒業。精神科医。東大病院精神神経科助手、米カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。著書多数。「80歳の壁」(幻冬舎、税込み990円)は現在、50万部のベストセラーに。最新刊「70歳の正解」(同)も好評発売中。

認知症在宅介護 子供の肉体的精神的負担を喜ぶ親はいない

公開日: 更新日:

 先日、映画「長いお別れ」を見た。山崎努さん演じる元校長の認知症発症から死までの7年間、そして、ともに生きるその妻と娘たちの日々を描いた作品だ。ゆっくりと進行していく認知症の現実、その現実と向き合う家族の姿などをリアルに描いている。

 確かに上質の作品であることは間違いない。ご存じの方もおられるかもしれないが、私自身、若いころから映画好きで、これまで4作品もの、一般公開された映画の監督を経験している。そのうちの一作「『わたし』の人生 我が命のタンゴ」は施設に入れることで初めて認知症の親の良さを見つけた話だ。

 映画はひとつの表現様式にすぎず、必ずしも現実をただ忠実に描くものではない。ただ、認知症を取り巻く環境を知る医者として「長いお別れ」に「在宅介護の美談部分にフォーカスしすぎているのでは?」という印象を持った。つまり、この作品がフォーカスする家族愛の世界とは異なり、現実の認知症高齢者の在宅介護は当事者にとってはもっと過酷だということ。そのことを忘れてはならない。

「認知症の母親の見たことのない笑顔に、娘さんが感動していました」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    中日1位・高橋宏斗 白米敷き詰めた2リットルタッパー弁当

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    悠仁さま「学校選抜型推薦」合格発表は早ければ12月に…本命は東大か筑波大か、それとも?

  2. 7

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 8

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 9

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議