ストレスフルでもうつ病にならない人は腸内環境に理由あり
「腸内細菌には良い菌もいれば悪い菌もいる。また、良い菌でも環境によっては真逆の働きをする可能性があると考えている。つまり、この研究から考えられるのは、どの腸内細菌がいるかいないかより、腸内環境のバランスの方が重要なのではないかということです」
実は、前出のラクトバチルスという乳酸菌の一種は、整腸作用や免疫調節作用などを持つ“良い菌”として知られる。しかし、ネズミにストレスを与えた研究では、うつ様行動を示したネズミの腸で増えていた。
また、ネズミに電気けいれんショックを与えると、やはりうつになるネズミとならないネズミがいるが、うつになる方では乳酸菌が増加。腸内細菌のバランスの崩れがうつ病と関係していることは推測できる。
脳と腸は密接な関係、すなわち、「脳腸相関」が重要であると思われる。
「腸内環境を整えれば病気予防になると言えるでしょう。腸内環境は不規則な食事、睡眠不足、お酒の取り過ぎ、ストレスフルな環境などでバランスが崩れる。それらをひとつでも排除することが、レジリエンス(回復力・復元力)のある体づくりにつながります」
できることから始めよう。