世界的科学誌で報告「膵がん」はお腹のカビが原因だった?

公開日: 更新日:

 膵がんは腸内に生息するカビ(真菌)が膵臓に移動し、正常な細胞をがん化させたせいかもしれない――。こんな驚きの報告をしたのは米ニューヨーク大学の研究グループだ。2019年10月2日号の「ネイチャー」に発表した。膵がんにカビの関与が示されたのは初めてで、これが本当なら5年生存率が5%以下で「見つかったらもうおしまい」と言われるほど致死率の高い膵がんの予防法や治療法が向上する可能性がある。国際医療福祉大学病院内科学の一石英一郎教授に聞いた。

「研究では、7カ月半にわたり膵がんマウスと健康なマウスの糞を採取し、真菌の種類と数を調べています。正常な細胞ががん化する際に真菌叢の組成も変化するかを確認するためです。蛍光タンパク質で印を付けた真菌をマウスの腸に注入し、真菌が腸から膵臓へ移動する様子も観察しました。その結果、膵がんマウスの真菌の数は健康なマウスに比べ、およそ3000倍に増えていて、真菌叢の組成も大きく異なっていたことが分かったのです。特にマラッセジア属と呼ばれる真菌の数が急増しており、これは膵がん患者の膵臓でも見られる現象だそうです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  2. 2

    ニデック永守重信会長の堪忍袋の緒が切れる? 「売上高4兆円」達成に不可欠な牧野フライスの買収が難航中

  3. 3

    巨人・田中将大の早期二軍落ちに現実味…DeNA二軍の「マー君攻略法」にさえなす術なし

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    茨城県知事の異常な県政を朝日も毎日も報じない不思議…職員13人が自殺?重大事件じゃないか!

  1. 6

    立憲民主党の凋落は自民党以上に深刻…参院選改選組が国民民主党に露骨なスリ寄り

  2. 7

    小芝風花&松坂桃李は勝ち組、清野菜名は貧乏クジ…今期ドラマ「トップコート」所属俳優の泣き笑い

  3. 8

    阿部寛「滑舌問題」はクリアできそうだが…新日曜劇場『キャスター』で国民的俳優が試される“唯一の心配事”

  4. 9

    浜田雅功の休養の裏で着々と進む松本人志との"今夏ダウンダウン完全復帰計画"…プラットフォームに本腰

  5. 10

    誰トク?広がる地方私大の公立化…見送られた千葉科学大は「加計学園」が運営撤退も大学存続