未来の腸活 便の細菌のDNAを調べて腸内細菌叢をつくり直す
腸内細菌をまとめて「腸内フローラ」と呼びます。腸内フローラを整える「腸活」は、いまではすっかり市民権を得ています。
まだ、「乳酸菌や発酵食品などを積極的に食べましょう」といったレベルではありますが……。
それにいまの腸活は、主に便秘・軟便対策を目指しています。なかには花粉症対策などもありますが、まだ「平均」の世界にとどまっていますから、万人に効果があるわけではありません。
「個別化栄養」を実現するためには、自分の腸内フローラの特徴を知る必要があります。「メタゲノム解析」と呼ばれる新しい検査がそれを可能にしました。便に含まれる細菌のDNAすべてをまとめて調べる方法です。
その結果をコンピューターで処理すると、菌の種類までは分かりませんが、腸内フローラ全体として、たとえば太りやすいとか、がんにかかりやすいといった特徴が見えてくるのです。
我々の大学では、学生実験で、琵琶湖の水を採ってきて、メタゲノム解析をやらせています。学生でもできるくらい簡単に、しかも安価に、琵琶湖にすむ細菌やプランクトン全体の特徴を測ることができるのです。