著者のコラム一覧
東丸貴信東邦大学名誉教授、平成横浜病院健診センター長

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

有名俳優も発信「血液クレンジング」はなぜ批判されるのか

公開日: 更新日:

 歌舞伎の著名な俳優である市川海老蔵さんが受けていた「血液クレンジング」治療が話題になりました。国民的女優だった森光子さんも生前(2012年逝去)、スイスで受けていたそうです。

 患者さんから100~200㏄の血液を抜いてオゾンガスを混合し、点滴で体内に戻す治療法で、「オゾン療法」「大量自家血オゾン療法」とも呼ばれています。

 クリニックによっては老化防止や疲労回復、さらにはがんなどの病気にも効果があると謳っていて、その体験記をSNSやブログに投稿する芸能人も少なからずいらっしゃるようです。そのせいか、私の患者さんにも「やってみたいのですが……」と相談に来られるケースが増えています。

 結論から言えば、「エビデンスが乏しいため、私はおすすめしません」。

 この治療法は半世紀ほど前、ドイツなど欧州の医療機関からスタートしたといわれています。

 オゾンとは酸素原子(O)が3つ結合したにおう気体のことです。強力な毒性(酸化能力)があり、脱臭や殺菌などに効力を発揮します。有害な紫外線から生物を守る「オゾン層」をイメージする人も多いと思います。このオゾンを血液に加えると血液が浄化され、細胞が活性化し、体が元気になるというのが血液クレンジング治療を積極的に行っているクリニックなどの言い分です。では、本当にそのような効果があるのでしょうか?

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