著者のコラム一覧
神崎浩孝医学博士、薬剤師

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

国内では4種類 遺伝子治療薬で治療できる病気はまだ限定的

公開日: 更新日:

 遺伝子治療薬について理解を深めるため、これまで遺伝子治療の背景を説明してきました。

 現在、国内で使われている遺伝子治療薬は4種類で、海外を含めても5種類です。また、対象となる疾患や症状も4種類ですので、現時点では遺伝子治療薬によって治療できる病気は極めて限定的といえます。遺伝子治療は近年急速に開発されていますが、まだまだ「どんな病気でも治る」というステージまでは来ていないということです。

 いま使われている遺伝子治療薬は、それぞれまったく異なる作用によって効果を発揮します。基本的には、「足りない遺伝子を補うもの」と「病気の原因となる遺伝子を無効化するもの」に大別できます。

 足りない遺伝子を補う薬の成分はDNAで、目的の遺伝子を発現する型となるものを直接細胞に入れ込むことで効果を発揮します。

 一方、病気の原因となる遺伝子を無効化する薬の成分もDNAと同じような核酸と呼ばれる物質です。目的の遺伝子を無効化する作用は現在のところ2種類あり、目的の遺伝子と結合する(トラップする)ものと、目的の遺伝子をバラバラに分解してしまうものがあります。いずれも、体に悪さをして病気を引き起こす遺伝子を働かなくすることで効果を発揮します。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  2. 2

    巨人の“お家芸”今オフの「場当たり的補強」はフロント主導…来季もダメなら編成幹部の首が飛ぶ

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  5. 5

    国民・玉木雄一郎代表の“不倫相手”元グラドルがSNS凍結? 観光大使を委嘱する行政担当者が「現在地」を答えた

  1. 6

    星野監督時代は「陣形」が存在、いまでは考えられない乱闘の内幕

  2. 7

    若林志穂さん「Nさん、早く捕まってください」と悲痛な叫び…直前に配信された対談動画に反応

  3. 8

    米倉涼子に降りかかった2度目の薬物疑惑…元交際相手逮捕も“尿検査シロ”で女優転身に成功した過去

  4. 9

    国民民主から維新に乗り換えた高市自民が「政治の安定」を掲げて「数合わせヤドカリ連立」を急ぐワケ

  5. 10

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで