著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

睡眠時間が短いと夕食後のカロリー摂取と体重が増える

公開日: 更新日:

■夜中にスマホはぜひともやめて

 ところで、私が問題視しているのは、仕事による睡眠不足に加え、スマートフォンによる睡眠の質の低下です。仕事で睡眠不足になるのは、言ってみれば仕方がないことです。しかし、ただでさえ睡眠が少ない上に、夜中にスマートフォンでネットサーフィンをしたり、SNSを見たりするのは、ぜひともやめてほしい。

 スマートフォンの光はブルーライトといって光の中で波長が短く、エネルギーが強いといわれています。夜にブルーライトを見ると、ガングリオンセルという視細胞が光を感知し、体内時計の重要な中枢といわれる脳の視床下部にある視交叉上核に情報が伝わります。すると、脳は「昼」と勘違いし、睡眠を促すメラトニンというホルモンが作られる松果体に伝えられ、メラトニンの分泌が抑制されるのです。結果、眠れなくなってしまう。

 最近は、子供も布団の中でスマートフォンで友達とラインのやりとりをしたり、フェイスブックやインスタグラムなどをチェックしたりして、睡眠不足に至っています。肥満の子供が増えていることがずいぶん前から指摘されていますが、本来は肥満になりづらい小学生や中学生のうちから肥満でいると、糖尿病をはじめとする生活習慣病の発症が20代、30代と早くなることも十分に考えられます。

 睡眠の質が悪ければ、睡眠時間を長めに確保しても疲労はとれません。夜は思い切ってスマートフォンの電源を切る。枕元にはスマートフォンを置かない。きょうから、家族全員で始めてください。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    横綱・大の里まさかの千秋楽負傷休場に角界から非難の嵐…八角理事長は「遺憾」、舞の海氏も「私なら出場」

  3. 3

    2026年大学入試はどうなる? 注目は公立の長野大と福井県立大、私立は立教大学環境学部

  4. 4

    東山紀之「芸能界復帰」へカウントダウン着々…近影ショットを布石に、スマイル社社長業務の終了発表か

  5. 5

    「総理に失礼だ!」と小池都知事が大炎上…高市首相“45度お辞儀”に“5度の会釈”で対応したワケ

  1. 6

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  2. 7

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  3. 8

    義ノ富士が速攻相撲で横綱・大の里から金星! 学生相撲時代のライバルに送った痛烈メッセージ

  4. 9

    同じマンションで生活を…海老蔵&米倉涼子に復縁の可能性

  5. 10

    独立に成功した「新しい地図」3人を待つ課題…“事務所を出ない”理由を明かした木村拓哉の選択