睡眠時間が短いと夕食後のカロリー摂取と体重が増える
■夜中にスマホはぜひともやめて
ところで、私が問題視しているのは、仕事による睡眠不足に加え、スマートフォンによる睡眠の質の低下です。仕事で睡眠不足になるのは、言ってみれば仕方がないことです。しかし、ただでさえ睡眠が少ない上に、夜中にスマートフォンでネットサーフィンをしたり、SNSを見たりするのは、ぜひともやめてほしい。
スマートフォンの光はブルーライトといって光の中で波長が短く、エネルギーが強いといわれています。夜にブルーライトを見ると、ガングリオンセルという視細胞が光を感知し、体内時計の重要な中枢といわれる脳の視床下部にある視交叉上核に情報が伝わります。すると、脳は「昼」と勘違いし、睡眠を促すメラトニンというホルモンが作られる松果体に伝えられ、メラトニンの分泌が抑制されるのです。結果、眠れなくなってしまう。
最近は、子供も布団の中でスマートフォンで友達とラインのやりとりをしたり、フェイスブックやインスタグラムなどをチェックしたりして、睡眠不足に至っています。肥満の子供が増えていることがずいぶん前から指摘されていますが、本来は肥満になりづらい小学生や中学生のうちから肥満でいると、糖尿病をはじめとする生活習慣病の発症が20代、30代と早くなることも十分に考えられます。
睡眠の質が悪ければ、睡眠時間を長めに確保しても疲労はとれません。夜は思い切ってスマートフォンの電源を切る。枕元にはスマートフォンを置かない。きょうから、家族全員で始めてください。