ヒトパピローマウイルス感染症<2>彼にどう話していいのか…
こうした説明の後に医師は、ヒトパピローマウイルスに感染しても自覚症状がないこと。セックス経験者の半数以上の女性がこのウイルスに感染すること。また、ヒトパピローマウイルスは、100種類以上あるが、感染した約半数は、自然(免疫作用)に排除されることなどの説明をしてくれた。
岡本さんは「ヒトパピローマウイルスの感染者は、全員が子宮頚がんにかかるわけではありません、と説明されましたが、先生の話を聞いていて、気になることが2点ありました」と言う。
1つ目は、ヒトパピローマウイルスは、自然に排除されることもあるが、約10%未満の確率でそのまま子宮にとどまるケースがあり、それが子宮頚がんのリスクを高めること。2つ目は、感染の原因がセックスにあることから、パートナーにも感染させてしまう危険性があることで、女性の場合は口や喉にも感染するが、男性に感染すると性器(尿道や陰茎)をはじめ、口や咽頭、さらには中咽頭がんを引き起こす可能性もあることだ。
岡本さんは、3割負担の検診料約1万円を支払って帰宅した。