著者のコラム一覧
関由佳医師・料理家

専門は内科、予防医学。2013年ニューヨークの料理専門学校(Natural Gourmet Institute)で資格取得。著書に「毎日食べたい!腸活みそレシピ」ほか

なすと万願寺とうがらしのみそ炒め カプサイシンが体脂肪を燃焼させる

公開日: 更新日:

 NHK大河ドラマ麒麟がくる」の視聴率が好調のようです。舞台は戦国時代。実は当時、みそは野戦食として欠かせないものでした。

 使われ方といえば、長いサトイモ類の茎(ずいき)をみそで煮しめ、乾燥させたものを帯状に編んで携行していたのです。戦いの合間、あるいは籠城などの際、それを切り取り、お湯を注げばみそ汁の出来上がりです。これにご飯があれば栄養面でもバランスの取れた立派な食事です。

 いまでこそ、発酵食品としてみその優秀さは医学的にも解明されていますが、当時の人々も経験的にそれを知っていたということなのでしょう。

 この連載では「腸活食品」としてみそを推奨しています。英語で腸は「GUT」。最近でこそあまり聞かれなくなりましたが、「ガッツ(GUTS)だぜ!」は、実は「腸!」と叫んで心を鼓舞する言葉なのです。

 日本語では「腹に力を入れろ」「腹が立つ」「はらわたが煮えくり返る」「腹を割って話す」など、メンタル面のあり方をしばしば「腹」で表現します。

 つまり、心と腸の密接な関係についても、古くから日本人は気づいていたのではないでしょうか。

 実際のところ、みそをはじめとする発酵食品を日常的に摂取し、腸の状態、腸内細菌のバランスを整えることで、体や心の健康を取り戻すことが可能です。

 さまざまな内臓の疾病はもちろんのこと、自閉症、うつといったメンタル面に関係した症状が改善されたという臨床例は数多く報告されています。

 私自身、10代のころから月経不順など体の不調に苦しみ、医師になってからも薬を手放せない日々を送っていました。しかし、アメリカ留学などを機に、みそを中心とした食習慣に切り替えたことで、それまでの生活がまるで嘘のように薬とは無縁の生活を過ごせるようになりました。食生活を根本的に見直し実践したことで、私の「GUT=腸」が変わり「腹を据えて」生きることができるようになったのです。 ちなみに「GUT」の複数形である「GUTS」は勇気や根性を意味します。 

 さて、しばしば「みそドクター」を名乗る私ですが、1週間ほど前に恒例のみそづくりをしました。私は大豆ではなく、ひよこ豆を使うのですが、つくり方は簡単! ネットなどで調べて、ぜひお試しください。

 今回のレシピは「ガッツリ」食べたいときにおすすめのなすと万願寺とうがらしのみそ炒めです。万願寺とうがらしに含まれるカプサイシンは体脂肪を燃焼させる働きや抗酸化作用もあります。ピーマンでも可。こちらにはカプサイシンに似たカプシエイトが豊富。なすには、高血圧を予防するカリウムがたっぷり。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較