なすと万願寺とうがらしのみそ炒め カプサイシンが体脂肪を燃焼させる
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の視聴率が好調のようです。舞台は戦国時代。実は当時、みそは野戦食として欠かせないものでした。
使われ方といえば、長いサトイモ類の茎(ずいき)をみそで煮しめ、乾燥させたものを帯状に編んで携行していたのです。戦いの合間、あるいは籠城などの際、それを切り取り、お湯を注げばみそ汁の出来上がりです。これにご飯があれば栄養面でもバランスの取れた立派な食事です。
いまでこそ、発酵食品としてみその優秀さは医学的にも解明されていますが、当時の人々も経験的にそれを知っていたということなのでしょう。
この連載では「腸活食品」としてみそを推奨しています。英語で腸は「GUT」。最近でこそあまり聞かれなくなりましたが、「ガッツ(GUTS)だぜ!」は、実は「腸!」と叫んで心を鼓舞する言葉なのです。
日本語では「腹に力を入れろ」「腹が立つ」「はらわたが煮えくり返る」「腹を割って話す」など、メンタル面のあり方をしばしば「腹」で表現します。
つまり、心と腸の密接な関係についても、古くから日本人は気づいていたのではないでしょうか。
実際のところ、みそをはじめとする発酵食品を日常的に摂取し、腸の状態、腸内細菌のバランスを整えることで、体や心の健康を取り戻すことが可能です。
さまざまな内臓の疾病はもちろんのこと、自閉症、うつといったメンタル面に関係した症状が改善されたという臨床例は数多く報告されています。
私自身、10代のころから月経不順など体の不調に苦しみ、医師になってからも薬を手放せない日々を送っていました。しかし、アメリカ留学などを機に、みそを中心とした食習慣に切り替えたことで、それまでの生活がまるで嘘のように薬とは無縁の生活を過ごせるようになりました。食生活を根本的に見直し実践したことで、私の「GUT=腸」が変わり「腹を据えて」生きることができるようになったのです。 ちなみに「GUT」の複数形である「GUTS」は勇気や根性を意味します。
さて、しばしば「みそドクター」を名乗る私ですが、1週間ほど前に恒例のみそづくりをしました。私は大豆ではなく、ひよこ豆を使うのですが、つくり方は簡単! ネットなどで調べて、ぜひお試しください。
今回のレシピは「ガッツリ」食べたいときにおすすめのなすと万願寺とうがらしのみそ炒めです。万願寺とうがらしに含まれるカプサイシンは体脂肪を燃焼させる働きや抗酸化作用もあります。ピーマンでも可。こちらにはカプサイシンに似たカプシエイトが豊富。なすには、高血圧を予防するカリウムがたっぷり。