新型コロナ対策 手の洗いすぎはブロック機能を低下させる

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 自然免疫のうち、免疫細胞が関わらない①は、皮膚、唾液、胃液、粘液、粘膜、繊毛運動、常在菌などが該当する。免疫細胞が関係しないため軽視されがちだが、立派な自然免疫系の一つで、まずは①を整えてウイルスの侵入を防ぐことが重要だという。

「皮膚は、傷がなければほとんどすべての病原体の侵入を完璧に防ぎます。病原体の感染のほとんどが皮膚ではなく気道、目、生殖器などの粘膜を介して起こるのもそのためです。正常な皮膚には、表皮ブドウ球菌やアクネ菌といった常在菌が多く存在し、皮脂や老廃物を食べて脂肪酸を分泌し、皮膚を弱酸性に保って病原体から守っています。しかし、そうした常在菌を過剰に排除すると、皮膚のバリアー機能が低下して感染しやすくなってしまうのです。手洗いや手指の消毒は、接触感染を防ぐために有効ですが、殺菌力の強いせっけんを使った手洗いやアルコール消毒を頻繁にやり過ぎると、皮脂や皮膚の常在菌まで排除してしまったり、手荒れを招くため逆効果になってしまいます」

 手洗いは、特に感染症の流行期ではない日常生活では普通のせっけんと流水でOK。外出先から自宅や会社に戻った時、調理や食事の前、トイレの後に行うだけで十分なのだ。

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