新型コロナ対策 手の洗いすぎはブロック機能を低下させる
「唾液や粘膜を覆う粘液はウイルスを洗い流したり、さまざまな抗菌・抗ウイルス物質を含んでいて、病原体が細胞にたどりつく前に不活化します。また、気道細胞表面に存在する繊毛はブラシのような形をしていて、規則正しく運動することでワイパーのように病原体を排除します。この働きにより、強力な酸である胃液を出す胃に異物を送り、ウイルスを不活化します。しかし、殺菌力の高いポビドンヨード入りのうがい薬を使って頻繁にうがいをしていると、口腔内の常在菌を減らしたり、粘膜にもダメージを与えてしまいます。むしろ結果的にウイルスに感染しやすい状態を作り出してしまうのです」
うがいには、喉に潤いを与えることで、粘膜の働きが弱まるのを防いだり、繊毛運動を正しく保つ効果がある。それには基本的に水だけで十分な効果が期待できる。
自然免疫もそうだが、とりわけ獲得免疫には「腸内細菌」が大きく関わっていて、新型コロナウイルスの感染対策は、「腸内細菌を元気にする生活に集約される」という。次週、解説してもらう。