歯<下>がんや心臓病を誘発 菌血症を防ぐ歯磨き用具と使い方
「最も大事なことは、出血が起こった部位に細菌がいない、あるいは少ない口腔環境であれば菌血症は起こりにくいことです。そのためには、1日3度の“正しい歯磨き”に加えて、殺菌剤入りの洗口剤を使った『洗口剤うがい』をおすすめします。朝起床してすぐ、そして歯磨きの前後で『洗口剤うがい』をすれば、歯磨きをして出血したとしても菌が少なくなるので、菌血症を予防することができます」
しかし、プラークは「バイオフィルム」という膜で覆われているので、洗口剤の殺菌成分もプラーク内に浸透するのは容易ではない。やはり歯ブラシを使って物理的に取り除くことが重要になる。ただし、磨き方を誤ると歯肉の出血を招く。松下部長に、具体的な歯磨き用具の選び方や使い方を解説してもらう。
【デンタルペースト(歯磨き粉)の選び方】
基本成分として「研磨剤(清掃剤)」「発泡剤」「保湿剤」「結合剤」を含む。さらに、さまざまな「薬効成分」が加えられている製品がある。
薬効成分の中で、菌血症を防ぐ目的で重要な成分といえるのは「殺菌成分」と「止血成分」。しかし、代表的な止血成分として知られる「トラネキサム酸」を含むものは、最近は少なくなってきている。他には「収斂(歯肉を引き締める)成分」や「消炎成分」も止血には有効という。