著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

上皇后さまは問題なしも…がん患者の微熱には3つの原因が

公開日: 更新日:

 ところが、分子標的薬など最新の薬は比較的副作用が軽く、外来で抗がん剤を行うことが増えています。そうすると、入院と違い、連日の採血ができないため、発熱性好中球減少症が見過ごされ、亡くなるケースもあるのです。抗がん剤治療を受けて数日後の発熱は危険なサインで、決して軽く見てはいけません。

 ②はがんの存在によって発熱するもので、「腫瘍熱」と呼ばれます。進行、末期がんでは珍しくありません。医学的には、感染の病巣を同定できないのに、発熱が定期的にあって自然に解熱する状態。全身状態がよく、寒けやふるえなどはありません。

「37・8度以上の発熱が1日1回以上」「発熱の期間が2週間以上」などの項目が掲げられることもありますが、公式な診断基準はありません。そのことから分かるように患者さんは、異常が見られたら、すぐ主治医に相談し、検査を受けるべきでしょう。

 腫瘍熱が疑われると、解熱鎮痛剤のナイキサンを服用。12~24時間後から丸1日通して解熱していれば、腫瘍熱と診断されます。

 ホルモン療法では、薬剤を問わず、ほてりや発汗など更年期のような副作用が見られやすい。薬によっては、関節痛や筋肉痛が生じることもあります。ホルモン療法は5~10年以上続けることが必要ですので、上皇后さまのような症状は、ホルモン療法の副作用の可能性もあるかもしれません。

 皆さんもいつもと違う症状に気づいたら、主治医にすぐ相談することです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  2. 2

    下半身醜聞・小林夢果の「剛毛すぎる強心臓」…渦中にいながら師匠譲りの強メンタルで上位浮上

  3. 3

    協会肝いりゲームアプリ頓挫の“張本人”は小林浩美会長…計画性ゼロの見切り発車で現場大混乱

  4. 4

    長山藍子のおかげでわかった両眼のがんを極秘手術

  5. 5

    「ホラッチョ!」「嘘つき!」とヤジられ言葉に詰まり、警察に通報…立花孝志はミルクティーが手放せず

  1. 6

    フジテレビの資金繰りに黄信号…9割超もの広告スポンサー離脱、CM再開も見通し立たず

  2. 7

    なぜ姉妹曲「2億4千万の瞳」と売り上げで3倍もの差がついてしまったのか

  3. 8

    備蓄米放出でもコメ高騰は抑えられない!「コシヒカリ」応札集中確実…得をするのは自民の“大票田”のみ【上位10品目リスト付き】

  4. 9

    「あの無口な少年が…」佐野海舟の下半身醜聞に母校関係者は絶句、その意外すぎる評判

  5. 10

    高石あかりって誰?→「御上先生」で知名度爆上がり 次の次の朝ドラヒロインの魅力は「アポロの歌」でも“予習”可能