著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

飲酒や喫煙に加えて注目 食道がんの予防は歯磨きとフロス

公開日: 更新日:

 口の中の粘膜の状態で食道がんのリスクが分かる――。大阪国際がんセンターの研究グループがそんな成果を発表し、話題を呼んでいます。

 グループは、食道と同じ細胞でできている口の粘膜に注目。食道がんになったことがある人とない人を合わせて280人を比較したところ、粘膜の状態が悪いと、食道がんのリスクが高くなることを突き止めています。

 具体的に粘膜がどんな状態がリスクになるかというと、「粘膜が黒い状態」が3・3倍、「白い粘膜の付着」が4・3倍、「毛細血管の拡張」が2・8倍でした。かねて食道がんのリスクは飲酒と喫煙が知られていますから、飲酒歴や喫煙歴に加えて粘膜の状態をチェックすると、食道がんを早期発見できる可能性があるでしょう。

 実は口の中の状態と食道がんには、関係が深いことが分かっています。米ハーバード大の研究グループは、歯周病との関係を調査。女性の看護師5万人と男性の医療従事者10万人を20年以上追跡し、歯周病の有無、歯の欠損の有無によって、食道がんのリスクがどうなるか調べました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇