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佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

温熱療法は治療中の適切な「温度管理」がきわめて重要

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 機械を用いてがんの部分を加温する場合、多くはマイクロ波か、ラジオ波(高周波)が使われます。短波長であるマイクロ波は300メガヘルツから300ギガヘルツの波(波長1ミリメートル~1メートル)で、体の深部までは届かないことから表面にあるがんに適しています。

 がんが深部にある場合は、ラジオ波が使われます。「電波」という場合、一般的にはラジオ波のことを意味し、周波数30~300メガヘルツ(波長100ミリメートル~1メートル)の電磁波のことを指します。

 マイクロ波でもラジオ波でも、①がんの部分が何度になっているか②その温度をどのくらいの時間保てるか③周囲の正常組織の温度は何度かを確認する必要があります。ですから温熱療法では、本当にその温度になっているのか、がんを殺す治療になっているのかについて注意しなければなりません。もし、温度管理をせず、時間も短く、副作用もないとなれば問題です。

抗がん剤や放射線との併用で効果が期待できる

 最近、某県立がんセンターに温熱療法(ハイパーサーミア)の機械が設置されたとの報道がありました。電磁波で体外からがんを加温する治療装置です。体の表面から2極の電極盤で挟み、その間にラジオ波を通すことによりジュール熱で加温します。体に接する表面がやけどを起こさないよう電極盤には冷却水を流し、体の中心部分の温度をより高める工夫がされています。

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