つらさが理解されない…上矢えり奈さん「内斜視」との苦闘
その頃の私の左目は、ひどいと黒目が見えなくなるくらい内側に寄っていました。手術は簡単に言うと「外側から筋肉を引っ張って黒目を真ん中で留める」というもの。部分麻酔で意識がある中、壁に張られた「十」の記号とピントが合うまで微調整しながらの手術でした。時間にして30分ぐらいだったかな。
1週間後、眼帯が取れたときの感動は忘れられません。それまでは、視界が雨の日の夜に車の中から見る信号みたいにぼやけていたのに、とてもクリアに見えたのです。そしてなにより、目が楽でした。きっと、ずっと目に力が入っていたんですね。
「もう治った。大丈夫」と思いました。でもその喜びもつかの間、なんと1年半後には再び手術を受けなければならない症状が表れたのです。
今度は目の内外両側からの調整が必要で、手術は90分ぐらいかかりました。医師によれば、「斜視は完治するとは言えない病気。手術で黒目の位置は治せるけれど、また再発するかもしれない」とのことでした。それが2016年11月の出来事です。
あれから、症状はほとんどありません。最近は動画の編集などで1日15~16時間も目を酷使することもありますが、それでも自分で時間を管理できる環境になったので、休みもきちんと確保できます。それが良いのかもしれません。