著者のコラム一覧
松生恒夫医学博士

昭和30(1955)年、東京都出身。松生クリニック院長、医学博士。東京慈恵会医科大学卒。日本消化器内視鏡学会専門医・指導医。地中海式食生活、漢方療法、音楽療法などを診療に取り入れ、治療効果を上げている。近刊「ビートルズの食卓」(グスコー出版)のほか「『腸寿』で老いを防ぐ」(平凡社)、「寿命をのばしたかったら『便秘』を改善しなさい!」(海竜社)など著書多数。

そして、ポールとリンダ夫妻は本格的な菜食主義を選んだ

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「スコットランドの小さな丘の上のキャンベルタウンの近くにある牧場で暮らしていたときのことです」から始まる箇所に興味深い記述があります。

 ある日の昼時、2人のテーブルの上の皿には、ローストされた子羊の肉が盛られていました。ふと窓の外に目を向けると、草原で楽しそうに遊んでいる羊の姿が目に入ります。彼らが飼っている子羊でした。その瞬間、2人はある思いに駆られます。リンダはこうつづっています。

「そのとき、私たちが食べようとしているものが、外で遊んでいる子羊たちの仲間だということに気づいて、突然おそろしくなってしまったのです」(同書)

 そしてこう続けます。

「生きた動物たちと、お皿に盛られたものを結び付けた瞬間に、もう二度と肉を食べまいと決心しました。この日、ポールと私はベジタリアンになることを決めたのです」(同書)

 ポールはそのことが忘れられなかったのか、後に「メアリーの子羊」という美しい曲を発表しています。1970年代初め、ポールとリンダの食生活は“肉を取らない”スタイルに変わりました。第一に動物愛護への思いからだったことがうかがえます。

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