性格は気候に影響される 平均気温2度上昇で集団間暴力50%増
たとえば、快適な気温(22度前後)で育った人々は、極端な気温で育った人々に比べて、社交性や情緒的安定性、自己成長に関する項目で高いスコアを記録したといいます。ただし、一概にはくくれないため、気候の変化による性格の変化の度合いに対して、研究チームも「今後の調査を待つ」と締めくくっています。
この手の研究は少なくなく、ケンブリッジ大学の社会心理学者・レントフロウ氏らの研究(08年)では、50万人以上からなる統計データをもとにグレート・プレーンズ(ロッキー山脈東麓の平原)からアメリカ最南部まで広がるエリアは、「友好的でクリエーティブ」な地域。西海岸地域とロッキー山脈周辺などは「リラックスしていて、クリエーティブ」な地域。中部大西洋岸地域などは「気まぐれで奔放」な地域といった傾向を発表しています。
たしかに、日本に暮らすわれわれも、南国の人はのんびり屋さんが多く、北国の人は寡黙で建設的な人が多いという具合に、地域による気質の違いを感じることは少なくないと思います。地域による性格差は万国共通なのでしょう。
ただし、今後は地球温暖化の影響も関係してくると指摘されています。カリフォルニア大学バークリー校公共政策大学院のショーン氏の論文(13年)によると、気温上昇もしくは異常降水という形で気候が変化。たとえば平均気温が2度上昇すると、集団間暴力は50%以上増加すると分析しています。