著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

性格は気候に影響される 平均気温2度上昇で集団間暴力50%増

公開日: 更新日:

 たとえば、快適な気温(22度前後)で育った人々は、極端な気温で育った人々に比べて、社交性や情緒的安定性、自己成長に関する項目で高いスコアを記録したといいます。ただし、一概にはくくれないため、気候の変化による性格の変化の度合いに対して、研究チームも「今後の調査を待つ」と締めくくっています。

 この手の研究は少なくなく、ケンブリッジ大学の社会心理学者・レントフロウ氏らの研究(08年)では、50万人以上からなる統計データをもとにグレート・プレーンズ(ロッキー山脈東麓の平原)からアメリカ最南部まで広がるエリアは、「友好的でクリエーティブ」な地域。西海岸地域とロッキー山脈周辺などは「リラックスしていて、クリエーティブ」な地域。中部大西洋岸地域などは「気まぐれで奔放」な地域といった傾向を発表しています。

 たしかに、日本に暮らすわれわれも、南国の人はのんびり屋さんが多く、北国の人は寡黙で建設的な人が多いという具合に、地域による気質の違いを感じることは少なくないと思います。地域による性格差は万国共通なのでしょう。

 ただし、今後は地球温暖化の影響も関係してくると指摘されています。カリフォルニア大学バークリー校公共政策大学院のショーン氏の論文(13年)によると、気温上昇もしくは異常降水という形で気候が変化。たとえば平均気温が2度上昇すると、集団間暴力は50%以上増加すると分析しています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層

  3. 3

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 4

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    陰謀論もここまで? 美智子上皇后様をめぐりXで怪しい主張相次ぐ

  2. 7

    白木彩奈は“あの頃のガッキー”にも通じる輝きを放つ

  3. 8

    渋野日向子の今季米ツアー獲得賞金「約6933万円」の衝撃…23試合でトップ10入りたった1回

  4. 9

    12.2保険証全面切り替えで「いったん10割負担」が激増! 血税溶かすマイナトラブル“無間地獄”の愚

  5. 10

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?